婚約指輪＆結婚指輪選び奮闘記その４　～親友の家が指輪屋だった～

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え、お前んちブライダルショップだったの？

さも真面目な顔で婚約指輪をジロジロ見たり、ダイヤモンドシライシを偉そうに批評したりしてましたが、

僕ってばまだプロポーズしてなかったんですね。

順番が違うだろと。定食でフルーツから手をつける奴かと。フルーツは最後にとっとけと。そんな意見が来そうですが仕方ないですね。うちの彼女ってば先取りしてるので。

ですが順番が違う後ろめたさを感じつつ、プロポーズを計画できていませんでした。というより考えられなかったんですね。

プロポーズって僕、人生でやったことないんですよ。しかも人生で1回しかやりたくないんですよ。2回も3回もやるつもりないんですね。

そんなんだから面白いことはしたいし、でも失敗はしたくないし、そもそもどんな流れでやるのかも分かんないので計画が思いつかず二の足を踏んでいたんですね。

例えば人生で一度しかセックス出来ないなら、壮大なプレイをしたいじゃないですか。地味でつまらないプレイでいいのか？という。おちんちんから噴水とか出してみたいです。それで部屋に虹を描いたり、大谷翔平のシャンパンファイトみたいにお互いビショビショになって「やり切った！！」と叫びながら大の字でベッドに倒れ込んで気を失いたいです。

こだわり派なんですね。プロポーズで「結婚してください」っていうだけは嫌なんです。

そんな時にLINEで電話が来ました。

親友の船越くんです。

船越くん「俺、彼女にプロポーズするわ」

僕「ほぉ！おめでとう」

船越くん「で、指輪見てたわけよ」

僕「うん」

船越くん「で、俺んちってブライダルリングの専門店じゃん？」

僕「ぇ！？」

この時初めて知りました。かれこれ中学生から17年の付き合いになるのですが、こんな近くに指輪屋の息子がいるとは思いませんでした。

あの時の僕の気持ちを表すなら、え？お前のお父ちゃんゴールド・ロジャーなの？奇遇じゃん。俺も海賊王目指してたんだよね。じゃあお前のお父ちゃんに色々聞けばいいじゃん。って気分でした。

それから急展開なのですが、最近のプロポーズ界隈では「ダイヤだけ選んで告る」という手法があるのを聞きました。

そんなの知りませんでした。

面白いじゃん！片膝ついてパカッて開いたらリング無くてダイヤしかないんでしょ？

面白い！それ採用！

ちゃんとサプライズっぽい！

ダイヤだけかよ？ってなってる時に「リングは一緒に探そうね」って言えば面白い！

これはサプライズしがいがあるぜ！！！

その時の僕はもうサプライズに夢広がっていました。さっきまでプロポーズする予定もアイデアも何もなかった男が、面白そう！を原動力にさまざまな空想を思い描いていました。

まずは来週には船越の家に行ってダイヤ探してくるぜ！それで来月くらいにはプロポーズしちゃおっかな！♪

思い立ったが吉日、来週の予定を組み始めていた時に、

ピンポーン！

彼女が帰ってきたんですね。

まぁ危機一髪でした。船越とのLINEを聞かれていたらこの壮大になりかけていたプロポーズサプライズが頓挫しかねなかったですし。

もう船越との話はほぼ終わっている！

ふっふっふ！

何も知らない子猫ちゃんが！俺が指輪をこっそり探してプロポーズの計画を立ててることも知らずに！

ほぉらアホ面だぜ！

これから1ヶ月後、サプライズで歪んだ顔が拝めるぜぇ！

彼女「ねぇねぇ」

僕「ん？」

彼女「友達と婚約指輪について語り合ってきた」

僕「おお」

彼女「指輪のブランド、あたしが指定する中からロムくんが選んでプロポーズするのはどう？」

僕「えーっと？じゃあダイヤはそこで決めるの？」

彼女「ダイヤ？リングとダイヤは一緒に決めるでしょ」

僕「（ダイヤだけ決めるのムリじゃん！一緒に決めるつもりじゃん！！）ウオオオオオオオオオオ！！」

彼女「なになになに」

次回、サプライズ失敗か！？（一瞬で）

ロム

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